中古住宅の場合、住宅ローン減税が利用できるのは、非耐火構造で築20年以下(耐火構造の場合は築25年未満)の建物に限られます。
しかし、築20年以下の住宅でも新耐震基準を適合している「耐震基準適合証明書」付きの住宅であれば、築年数が古くても住宅ローン減税の対象となります。
減税以外にもたくさんのメリットがあるのでチェックしておきましょう。
耐震基準適合証明書とは?
耐震基準証明書は、建物が「新耐震基準」を満たしていることを証明する書類です。
新耐震基準は、震度5の地震でも倒壊しないという基準値の旧耐震基準に対し、中程度の地震では軽度なひびわれ程度、震度6~7程度の地震では崩壊・倒壊しない耐震性を基準としたものです。
ちなみに、日本木造住宅耐震補強事業者協同組合が実施した耐震診断結果によると昭和56年5月31日以前の建物の場合、8割以上が耐震基準を満たさない結果となっており、耐震基準適合証明書を発行するためには補強工事が必要となります。
耐震基準証明書発行にはメリットが豊富
① 10年間で最大400万円の住宅ローン控除
② 中古住宅購入時の登録免許税が減額※1
建物所有移転:2.0%→0.3%
抵当権設定:0.4%→0.1%
③ 中古住宅購入時の不動産取得税が減額※2
土地:45,000円以上軽減※3
建物:建築年によって変動
④ 固定資産税が1/2に
⑤ 自身穂嫌悪保険料が10%割引
※1
登録免許税の軽減を受けようとする場合は、所有権移転登記前に市区町村より住宅家屋証明書を取得しておく必要があります。
ただし、築後20年越の戸建てについて住宅家屋証明書の取得を申請する際には、市区町村窓口に耐震基準適合証明書を提出する事を要しますので、決済日に先立ち、あらかじめ耐震基準適合証明書を取得しておく必要があります。
※2
不動産取得税については、昭和57年1月1日以降の築であれば耐震基準適合証明書は不要です。
※3
45,000円又は、(土地1m²当たりの固定資産税評価額×1/2)×(課税床面積×2(200m²限度)×3%)
証明書発行の流れ
通常、引き渡しまでの2年以内に受けた証明であれば有効となります。
しかし、中古マンションの取得を検討される場合は証明をとるタイミングが重要です。
また、引き渡し後のリフォームで耐震基準を満たしてもローン控除の対象とならないので注意しましょう。
おわりに
「耐震基準適合証明書」は中古物件を購入する場合、ローン減税を受けるために必要不可欠な書類です。
最大400万円の減税枠を逃さないためにも、耐震基準証明書を取得できるのかを確認しておきましょう。