マンションでのリノベーションを検討している方であれば、「マンションの建物はどれくらい長持ちするのか?」
「築何年まで住み続けることができるのだろう?」という疑問を持たれているのではないでしょうか?
本記事では、リノベーションを行う前に知っておきたいマンションの建物寿命についてご紹介していきます。

 

マンションの平均寿命は?

国土交通省の資料において、鉄筋コンクリート(RC)造のマンションの平均寿命はおおよそ68年とされています。
この年数は物理的な寿命というものでなく、過半数を超えるマンションが解体・建て替えを行ったという数値を表しています。
しかし中には、100 年以上住み続けられているマンションもあります。
国土交通省の資料によると、鉄筋コンクリート造のマンションは最大でも 120 年まで住むことができるとされています。
メンテナンスや修繕を定期的に行い続けることで、平均的な寿命より長く住むことができるようになると言われているのです。

 

法定耐用年数と寿命は違うの?

法定耐用年数とは、「資産として利用する場合に耐えられる年数」を意味しています。
会計上で建物の価値がゼロになるまでの年数を意味しており、実際に居住可能な期間を指す数値ではありません。

所得税・法人税といったものを計算する際、統一基準で「減価償却」という会計処理が行えるよう、国税庁によって定められた数字なのです。
そのため、「マンション寿命=法定耐用年数」ではありません。
「マンションの法定耐用年数を過ぎてしまったら住めなくなるの?」と思う方も多いですが、そのようなことはありません。
法定耐用年数はあくまでも税務上で設定された数値なので、建物の状態・状況次第ではそのまま住み続けることも十分に可能なのです。

 

寿命の長いマンションを見分けるポイントとは?

寿命の長いマンションを見分けるには、どのようなポイントに着目すれば良いのでしょうか?

修繕が正しく行われているかを確認

中古マンションを選ぶ際の重要なポイントの一つに、「マンションの管理状態」が挙げられます。
中古マンション全体の 7%の管理組合は「長期修繕計画」を作成していないというデータがあります。
そのようなマンションでは当然劣化が進んでしまい、建物の寿命が短くなるのです。
長期で住み続けられるマンションを見極めるには、「長期修繕計画がきちんと作成されているか」「修繕積立金が徴収されているか」を確認しておきましょう。

マンション設備もチェックしておく

多くのマンションでは給排水設備の劣化が原因となり、築 30 年ほど経つと建物の建て替えが検討されます。
そのためマンションのリノベーションを検討する前に、給排水設備を確認しておくことが大切です。
加えて外壁塗装の剥がれ・ヒビ割れといったものが起きていないかも確認しましょう。
剥がれ・ヒビ割れなどがあっても都度修繕されていれば、建物の寿命は長くなります。

「劣化対策等級」も確認しておく

「劣化対策等級」とは、建物構造躯体の部分に使用されている鉄筋の錆び対策など、住宅を長持ちさせるための対策の程度を3段階等級で評価したものです。
建築基準法で定められている最低限の対策が「等級 1」であり、50~60年耐えるように対策されたものが「等級 2」です。
75~90年以上建物が耐えられるように対策されたものは「等級 3」に該当します。

 

おわりに

本記事では、リノベーションを行う前に知っておきたいマンションの建物寿命についてご紹介しました。
マンションの平均寿命は68年と言われていますが、正しくメンテナンスを実施していれば100年以上持つと言われています。
マンションを選ぶ際には、不動産会社・リノベーション会社に相談した上で、長い寿命を保てるような物件を選ぶようにしましょう。

タグ : マンションリノベーション
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