「中古マンションのリノベーションで後悔したくない」
「中古マンションをリノベーションした人はどのようなことで後悔しているのかな」
中古マンションのリノベーションを検討しているけど、「高いお金を払って失敗したくない」という不安もありますよね。
中古マンションのリノベーションにはいくつか注意点があり、最初に把握しておくことで失敗を避けられます。
本記事では、中古マンションのリノベーションでありがちな後悔を6つご紹介していきます。

 

中古マンションのリノベーションでよくある6つの後悔


中古マンションのリノベーションでよるある後悔は以下のとおりです。
・リノベーション不可な中古マンションを購入してしまった
・リノベーションできる範囲が限られている
・中古マンションのリノベーション費用が高額になる
・購入した中古マンションが新耐震基準を満たしていなかった
・購入した中古マンションの配管が劣化していた
・業者の選定を間違えた
1つずつ説明していきます。

リノベーション不可な中古マンションを購入してしまった

マンションは、リノベーションできる物件とできない物件に分かれます。
リノベーションの可否を分ける主な理由は「建物の構造上の制約」もしくは「管理規約による制約」の2つです。

建物の構造上の制約

マンションをリノベーションする場合は、構造による制約の考慮も必要となります。
構造による制約でチェックすべきポイントは、「躯体」「排水」「排気」の3つです。
マンションは、ラーメン構造と壁式構造に分けられており、壊してはいけない躯体壁があります。
リノベーションによって、マンションの強度低下は避けなければいけないため、「窓を大きくしたい」など、自由に変更することはできません。
また、「排水」と「排気」に関しては、それぞれ出口が固定されているため、間取りを変更する際に離れすぎないように考慮しなくてはいけません。
構造上、リノベーションできない部分も存在しますので注意が必要です。

管理規約による制約

管理規約とは、国土交通省が作成した「マンション標準管理規約」をもとに作られた住民が守るべきルールが示されたものです。
マンションの管理規約には、共有部分の範囲や使用方法、マンション管理組合運営の概要、などが記載されています。
その中に「使用細則」というルールが作成されており、専有部分のリノベーションに関するルールも詳細に規定されています。
(専有部分とは、床や壁、天井など区分所有者が単独で所有している部分のことです。)
規定の中にリノベーションの制限がある場合は、改修工事できません。
水回りや使用床材、遮音性能、電気容量など、個々に制約がある場合もあるので、中古マンション購入前に必ず管理規約を確認しておきましょう。

リノベーションできる範囲が限られている

中古マンションをリノベーションする場合、希望どおりの改修ができるとは限りません。
特に「壁式構造」の物件の場合、耐震の問題から構造壁を壊せません。
そのため、間取りの変更に制約が生じます。
また、キッチンやバスルームなど水回りの場所も大幅に場所を変更することはできません。
マンションには、部屋中に通る給排水管をまとめたPS(パイプスペース)があり、PSから離れた場所にキッチンやバスルームをさせようとすると配管の勾配が取れなくなります。
建物の構造上、撤去できない壁や移動できない場所があるため、理想的なレイアウトを実現できない可能性もあります。
さらに、既存の配管や電気配線が老朽化している場合、リノベーション時に新たな配管工事や電気工事が必要になることもあります。
これが追加費用を発生させる要因になるため、事前にその可能性を考慮することが重要です。
また、マンション全体の共用部分に影響を与えるようなリノベーションには管理組合の承認が必要な場合もあります。
リノベーションの計画を進める前に、共用部分への影響を最小限に抑える方法を検討し、管理組合と相談しておくことが望ましいと言えるでしょう。

中古マンションのリノベーション費用が高額になる

中古マンションのリノベーションにこだわった結果、新築で物件を購入するよりも高額になってしまったケースもあります。
リノベーションは、設備のグレードや床材の素材などをこだわればこだわるほど予算が上がっていきます。
リノベーションの事例を見てマイホームで実現したいことが増え、理想とする条件を全て取り入れると予算は膨らむ一方です。
一方で、予算の関係で妥協を重ねると、理想とかけ離れすぎた住宅になってしまいます。
リノベーションには、想定外の費用が発生することがつきものです。
たとえば、内装を解体すると内部が傷んでいることも。
その場合は想定外の補強工事費用がかかってしまい、予算が削られてしまいます。
予算には余裕を持たせつつ、予算オーバーとならないように調整が必要となります。

購入した中古マンションが新耐震基準を満たしていなかった

購入した中古マンションが新耐震基準を満たしておらず、耐震性に関して不安を抱えることも。
耐震基準には、旧耐震基準と新耐震基準があり、新耐震基準は、1981年6月1日から適用されている基準のことで、「震度6強〜7程度の地震でも倒壊しない」ことが求められています。
一方で旧耐震基準は、「震度5強程度の揺れでも倒壊せず、仮に一部が破損した場合でも補修によって生活が可能であること」が求められています。
新耐震基準を満たしていない場合は、耐震工事が必要になる可能性があり、追加で費用が発生する可能性があります。
旧耐震基準のマンションであっても、耐震改修や補強をおこなっている場合は問題ありませんが、事前にハザードマップを利用して、地震による住宅の揺れやすさを確認しておくほうがいいでしょう。

購入した中古マンションの配管が劣化していた

購入した中古マンションの配管が劣化しているケースもあります。
配管は専有部分になるため、基本的には自己負担での修繕が必要です。
配管は年月とともに劣化するため、マンション側が定期的に修繕しますが、管理がずさんなマンションも存在しています。
中古マンションの購入前にマンションの管理状況の確認を怠るとトラブルが発生しやすくなります。

業者の選定を間違えた

業者の選定を間違えたことによる不満もあります。
たとえば、契約時には「どんな改修工事でも対応できます。」と言われましたが、プランニングの段階になると「それはできません。」と断られるケースもあります。
中古マンションのリノベーションは、構造や管理規約による制約が生じるため、どのようなリノベーションでも実現できるわけではありません。
また、施工会社の技術レベルが低いと「壁紙の貼り方にムラがある」「フローリングがきれいに貼られていない」など、内装の仕上がりに不満を持つことがあります。
施工のやり直しを希望しても対応してもらえないケースもあるため注意が必要です。
さらに、リノベーション後に発生した問題に対して、保証がついていない場合や対応が遅い場合もあります。
そのため、契約前にしっかりと保証内容を確認し、問題が起きた際に迅速に対応できる業者を選ぶことが大切です。
また、業者との契約時には、具体的な工事内容や納期について詳細に確認しておくことで、後のトラブルを防ぐことができます。

 

リノベーションを失敗の失敗を防ぐ方法

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中古マンションのリノベーションの失敗を防ぐ方法をいくつかご紹介します。

物件選びの際は詳細な調査を行う

中古マンションのリノベーションを成功させるためには、物件選びが最も重要です。
とくに、物件の状態や管理状況を入念にチェックする必要があります。
建物全体の外壁や基礎、配管などの状態を確認することで、リノベーション後に予期しない追加費用が発生するリスクを減らすことができます。
加えて、地域や周辺環境についても十分にリサーチしておくと、住んでからの生活がより快適になるでしょう。

施工業者との密なコミュニケーション

施工業者とのコミュニケーションは、リノベーションの成功において非常に大切です。
事前に施工業者と詳細な打ち合わせを行い、自分の理想をしっかり伝えることが求められます。
また、途中で変更が生じた場合には、迅速に相談し、適切なアドバイスをもらうことが重要でしょう。
リノベーションは計画通りに進めることが難しいため、柔軟に対応できる信頼できる業者を選ぶことが後悔を避けるためのポイントとなります。

リノベーション後のアフターケアと保証

リノベーションが完了した後も、問題が発生することがあります。
とくに長期的に使用する設備については、アフターケアや保証が重要になります。
施工業者が提供する保証内容やアフターサービスの詳細を確認し、必要に応じて契約を交わしておくことで、将来的に不具合があった際に迅速に対応してもらえるようにしておきましょう。
また、設備や建材の選定においても、品質の高いものを選ぶことが、長期間安心して住むためには欠かせません。

購入後の生活スタイルに合った空間設計を心がける

リノベーションは、単に美観を整えるだけではなく、購入者のライフスタイルに合った空間設計を行うことが大切です。
家族構成や日常の生活スタイルを考慮した上で、間取りや収納スペースを適切に配置することが、長期的に快適に過ごすためのポイントです。
ワークスペースを確保するための部屋設計や家事動線の効率化など、毎日の生活が少しでも楽になるような工夫が求められます。

購入後の維持管理の計画

中古マンションのリノベーションを行う際には、その後の維持管理計画も立てておくことが重要です。
とくに共用部分の管理や修繕が行き届いていない物件では、住んでから問題が発生することがあります。
管理組合の活動に参加し、周囲の住民と協力してマンション全体の維持管理を行うことで、リノベーション後も快適な生活を送ることができます。
また、定期的なメンテナンスを計画的に行い、設備の劣化を防ぐことも求められます。

 

おわりに

本記事では、中古マンションのリノベーションでありがちな後悔を6つご紹介しました。
主な後悔の例としては、以下の通りです。
・リノベーション不可な中古マンションを購入してしまった
・変更の範囲が限られている
・中古マンションのリノベーション費用が高額になる
・購入した中古マンションが新耐震基準を満たしていなかった
・購入した中古マンションの配管が劣化していた
・業者の選定を間違えた
新築物件を買うよりも安く済むと言われている中古マンションのリノベーションですが、リノベーション後に後悔している方も一定数います。
後悔しないためにも、どのようなことに後悔しやすいのかを理解して、失敗しないように事前準備をしっかりおこないましょう。

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タグ : 後悔 リノベーション 中古マンション
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