FAMILY
ご夫婦+子1人
CATEGORY
マンション
リノベーション
DIRECTOR
Aki Hatae
DESIGNER
Masami Yamaguchi
FAMILY | ご夫婦+子1人 |
---|---|
CATEGORY | マンション |
PLANNER | Aki Hatae |
DESIGNER | Masami Yamaguchi |
中学生になるお子様に個室を作ってあげたいと始まったリノベーション。
完成したのは、アメリカンとブリティッシュ、ご夫婦それぞれの
「好き」がミックスされたヴィンテージ&アンティーク空間。
お引き渡しから2年と半年、3年目の暮らしをどう過ごされているのか、
暮らしの変化や気持ちの変化、お子様との関係性など、
今回はプランナーの波多江も交えてじっくりお伺いしてきました。
ー 3年目の暮らしということでお話を聞かせていただきたいのですが、竣工からどれくらい経ちましたか?
妻)息子が小学6年生の時に完成したので、2022年の5月とか6月だったのかな。2年と半年くらい。ちょうど3年目になります。
ー 物件はもともと奥様が住まれていたということで。
妻)そうです。結婚する前から住んでいて、結婚してからも引っ越さないまま一緒に住んでいました。
ー まずはリノベーションをされたきっかけを教えてください。
妻)息子が6年生になって、中学にあがるまでに個室を作ってあげたいというのが最初でした。立地的にすごく便利だったのでここをリノベーションしようと夫が。
夫)職場も近かったですし、わざわざお金をかけて不便なところに引っ越す必要もないと思って。彼女は環境を変えてもいいと思っていたみたいですけど。
妻)結果的にこんな素敵な空間にしていただいたので大満足なのですが、最初はどんな感じになるのかわからなくてちょっと不安もあったので、引っ越してもいいのかなって
ー スクールバスとの出会いは?
妻)インスタでリノベーションの会社を探していた時にスクールバスさんもあがってきて、なんか好きな感じじゃない?って。元町やし、近いし、ちょっと行ってみぃひん?ってことになって。
夫)確かその日にいくつか他の会社にも行く予定だったんですが、スクールバスの方とお話したら「もう決めた!」ってなって。申し訳ないんですけど他の会社は行かずにお断りしました。
ー 「もう決めた!」というのはどういったところで。
妻)「なんでも言ってください!」「こんなこともできますし、あんなこともできます!」って、すごくポジティブにお話しいただいたのがすごく印象的でした。
夫)2時間くらい時間をとってくださり、親身に話を聞いていただいたのを覚えています。それもすごく具体的で、「こういうものが使えて、これだったらこうで、これなんかお好きですよね」って、今からでも始められそうな感じ。「もう始まりますよ!」みたいな。お話が前向きなので僕たちも乗ってくるじゃないですか。「なんかできそう!」「できるんだ!」って。これまで憧れとか妄想でしかなかったものに現実味が帯びてきて、すごくイメージが湧いてきましたね。
波多江)お二人ともお好きなものがはっきりされていたのでいつでもスタートできるなという感じでしたね。これは好きでこれは違うとストレートにおっしゃっていただけるのですごく助かりました。
妻)それはリノベーションが始まってからもずっと言っていただいてましたよね。
ー ポジティブな対応が決め手になったということですね。スクールバスに決められて、その後はどんな感じで進んでいくんですか?
波多江)まずはプランを3つお作りして、ご夫婦のご意見をお聞きしながら詳細を詰めていく感じですね。ワークスペースの広さをどうするだとか、洗面スペースは奥様の好みの感じでいきましょうとか、じゃあ壁や天井はご主人が決めましょうみたいな感じで。
妻)そうそう、2人で分け合ってみたいな感じでしたね。
波多江)印象に残っているのが、お打ち合わせを重ねている最中に京都のハイアットのベーカリーがオープンして、確か見に行かれましたよね?
妻)行きました!お伺いしたら、田中社長がいらっしゃったんです。
夫)確かその時、木部の塗装で迷ってたんです。そしたら波多江さんが「今度、京都に新しくお店ができるんです」「雰囲気的にもちょっと似ているからぜひ見に行ってみてください」と言ってくださって。
妻)そうそう。今、波多江さんと一緒にやってて、塗装で悩んでいるのでお店の中を見せてくださいって店長さんにお願いしたら、「少々お待ちください」って、田中社長が出て来られたんです。
夫)偶然いらっしゃったみたいなんですが、お店のこだわりを丁寧に解説してくださって。「それならこういう色がいいんじゃないですか?」ってアドバイスまでいただいて。すごく愛情を持ってお仕事をされている方なんだなと感動しました。
妻)すごくフランクで。その感じも素敵でしたね。
夫)あと、そう。後日社長から「お伝えした色、品番が間違ってました!」ってわざわざ連絡くださったんです。「こっちのほうが求めてらっしゃる色に近いと思います!」って。びっくりしました。
波多江)次の日にはハイアットのお店の塗装をした職人さんに連絡して施工方法を教えてもらって。その後も結構綿密に打ち合わせをさせていただきましたよね。
夫)そうですね。現場で塗ってもらいながら確認して。ツヤ具合ですよね。あまりテカテカなのは嫌だったので。
波多江)普通は1回か2回塗りなんですけど、4回塗りくらいさせていただいて。
夫)すみません。困らせちゃいましたね。
波多江)いえいえ、めちゃくちゃ楽しかったです。いいものができたのでそれが一番です。
ー 「色もそうなんですが、全体のイメージみたいなのはどうやって伝えていかれたのですか?
妻)基本的には写真で。「これのここが好きで、ここの部分はこの感じに近くしたいです」みたいな。
波多江)たくさんイメージをいただけたので、それを落とし込んでいった感じですね。
妻)もちろん提案もたくさんしていただきました。「ここはこうしたらどうですか?」って。いろいろお伝えはしたのですが、大前提として私たちの好きなものをわかってもらえてるという安心感はずっとありました。
波多江)それはそうと、いろいろ増えてますよね。このコルビュジエのコーナーなんかは前はなかった気が。あ、この天井のドライフラワーもなかったですよね?
夫)ドライフラワーは、専門のお店に依頼してアレンジしてもらいました。
妻)店舗からの依頼は多いけど個人宅は初めてって言ってたよね。
波多江)飾るのがお好きなお二人なので、できるだけ余白を残すようには心がけていました。壁もいろいろ飾れるように補強していますし。
夫)完成した一週間後には壁に穴を開けてましたね(笑)。
妻)私には無理。なんの躊躇もなくガガガってやるんです。やめてーって(笑)。
ー インテリアは当時から随分変わっているんですね。暮らしの変化の話題が出たので、そろそろ本題に。この3年間で何か大きな変化はありましたか?
夫)3年の間に変わったことですよね…?
波多江)お子様は何年生になられました?
夫)中学2年生です。そういう意味では息子の感覚というかセンスの部分はリノベーションしてから結構変わったかもしれません。当時は小学生ということもあったと思うんですけど、家とか服とかまったく興味がなくて。でも最近は「古着見に行きたーい」って。「堀江連れてってー」とか言ったりして。いつもタンクトップに短パンだった子がそんなこと言うんだって思って。スニーカーに興味を持ったり、インテリアが気になったり、間違いなくリノベーションをして、内装が変わって、置いてあるものが変わって、刺激されたんだと思います。
波多江)うわぁ、それはめちゃくちゃ嬉しいです!!
妻)友達を連れてくるようになったもんね。今までそんなこと一切言わなかったのに。
夫)あと、最近は息子にも意見を聞くようになりました。「この絵、飾りたいんだけど、どこがいいと思う?」って。そしたら「このバランスかっこよくない?」とか「そっちよりこうじゃない?」ってアンサーが返ってきて。確実に興味は持ってくれていますね。
波多江)いやー、ほんとに嬉しい。そういうのに全然興味がないと伺っていたので。
ー それは嬉しいですね。ご自身には何か変化はありましたか?
夫)そうですね。心持ちと言いますか、こんな素敵な家に住んでいるんだからその家に見合う自分になりたいなとは思うようになりましたね。さっき息子がいつもタンクトップと短パンだったという話をしましたが、僕もそういう感じだった部分もあったんです。でもこんな素敵な空間にしてもらったんだから無頓着な自分でいたくないなという気持ちが芽生えてきて。私生活はもちろん仕事もそうですし。そういう変化は自分の中にありますね。
妻)何かものを買うにしても一つひとつこだわるようになりました。
夫)確かに。ものの選び方とか買い方は変わりましたね。自然と吟味して購入するようになりました。
妻)うん。食べるものとかもこだわるようになったし。
夫)実は私、リノベーションが終わってからダイエットを始めまして(照)。始めた当時から体重が10kg減っております。
波多江)あ、ほんとですね!確かにスリムに!すごいですね。
夫)それもなんか嫌だったんですよね。ちょっとおじさん体型になってきている自分が。この家にふさわしいのかみたいな。
波多江)この家で過ごしている理想の自分があって、それに近付きたいというのがあるんでしょうね。
夫)そうですね。それでまず始めたのがダイエットで、近くのジムに通ってます。
ー ご家族それぞれに気持ちの変化があったということですが、純粋に暮らしやすさなども変わりましたか?
妻)もちろんです。以前はキッチンだけ孤立していて、料理を出すのもだいぶ動かないといけなかったのですが、それをオープンに使えるようにしていただいて、今は手を伸ばせば届くので、配膳や後片付けがかなり楽になりました。
夫)部屋の真ん中にあるこの柱なんかも以前はほんとに邪魔で。この柱のせいで…とか、この柱さえなければ…みたいなことが多かったのですが、今は大好きです。
妻)飾り甲斐があるよね。
夫)そういうネガティブポイントをリノベーションの力でポジティブポイントに変えられるっていうのは本当にプロだなと思いました。
波多江)覚えてます。「この柱をシンボリックにしたいんです!」っておっしゃってたの。
夫)でも本当にこの家のシンボルになってますよ。
ー たくさんお話を聞かせていただきましたが、最後に、リノベーションしてよかったですか?
夫)よかったです!お話ししていて改めて思いました。息子にとってもいいリノベーションだったんだなって。10代って本当に多感で、人生が決まるくらい大切な時期じゃないですか。僕も子どものころ、こんな家に住んでたらどうなっただろうって。実際はただ自分たちがリノベーションしたいからやっただけなんですけど、親が楽しんでいるのを見て、興味を持ってくれたんでしょうね。図らずともそういうのが見せられて本当によかったと思っています。
夫・妻)波多江さん、ありがとうございました。
波多江)とんでもないです。こちらこそ楽しませていただきました。お子様の成長エピソード、ぜひこれからの参考にさせていただきます。
INTERVIEWER:松本直丈
ノウル株式会社・コピーライター。建築・インテリア関連の取材・執筆多数。現在、自宅マンションのリノベーションを検討中。