中古戸建てをリノベーションするデメリットとメリットを解説
2021.06.21リノベーション「戸建てをリノベーションする価値はあるのだろうか?」
最近は、新築物件を購入するよりも、中古戸建てを購入してリノベーションする方が増えてきています。
一番の理由は、新築物件を購入するよりも中古戸建てを購入してリノベーションしたほうが、安くマイホームを手に入るからです。
ですが、中古戸建てのリノベーションにはメリットもあればデメリットもあります。
今回は、中古戸建てをリノベーションするメリットとデメリットを詳しく解説していきます。
中古戸建てをリノベーションする5つのデメリット
中古戸建てをリノベーションするデメリットは5つあります。
・築年数が古い物件は費用が高くなりやすい
・住み始めるまでに期間が必要
・ローンの金利が高くなりやすい
・住宅ローンの借入金額が低い
・解体後に瑕疵(かし)や修繕費が発生する可能性がある
築年数が古い物件は費用が高くなりやすい
築年数が古い物件は、購入費用が高くなりやすいです。
なぜなら、築年数が古い物件は、耐震工事が必要になる可能性があるからです。
築年数の古い物件は、建築基準法で定められた耐震基準を満たしていないことがあります。
耐震基準を満たしていない物件に関しては、耐震工事が必要となり、新築の物件を購入するよりも費用がかさみます。
具体的には1981年6月に耐震基準の見直しが実施されたことで、1981年6月以前の建物は耐震基準が低いと言われています。
しかし、築年数が古いからといって、一概に耐震基準が低いわけではありません。
耐震基準が見直されるのを見越して、新しい基準で設計された物件や、基準よりも高く設計して建築された物件もあります。
物件の耐震性が不安を感じる場合は、事前に専門家に確認してもらいましょう。
また、築年数が古い物件は、解体後に物件の瑕疵が見つかる可能性があります。
瑕疵とは、本来あるべき機能や性能が欠損していることです。
排水管に水漏れがあったり、柱にヒビが入っていたり、予想外の欠損が見つかる場合があります。
その場合は、追加の修繕費用がかかることがあります。
住み始めるまでに期間が必要
中古戸建てをリノベーションする場合は、中古物件を購入してから引き渡しまでに「建物検査」「設計」「施工」が必要となります。
そのため、物件を購入したとしても、すぐに住み始めることはできません。
リノベーションが完了するまでには、工事内容や物件の状態にもよりますが、3ヶ月〜6月の期間が必要となります。
また、リノベーションをする際に、こだわりたい部分が多いと、リノベーション会社と入念な打ち合わせが必要となり多大な時間を要します。
設計のための打ち合わせや工事の現場確認などの手間がかかるということもあるでしょう。
賃貸で暮らしている場合はすぐに引っ越せないため、工事期間中は家賃がかかります。
一刻も早く住みたいという方には、中古戸建てのリノベーションはおすすめできません。
ローンの金利が高くなりやすい
リノベーションの費用を借入したい場合は、リフォームローンを活用できますが、一般的な住宅ローンよりも金利が高い傾向にあります。
住宅ローンの金利は変動金利か固定金利によっても変わってきますが、年0.4%〜1%が一般的です。
一方でリフォームローンは2%〜5%です。
金利が気になる方は、リフォーム一体型住宅ローンの利用がおすすめ。
「住宅費用+リノベーション費用」を1%前後の低金利で借りられます。
ただし、住宅を購入するタイミングとは、異なる時期にリノベーション工事をおこなう場合は、リフォーム一体型住宅ローンの利用はできませんので、注意してください。
住宅ローンの借入金額が低い
中古戸建てを購入する際に、予算が足りない場合は住宅ローンを組むことができます。
しかし、中古戸建ては築年数が古いことから物件に資産価値がないと判断されることが多いため、借入金額が低く設定されている場合が多いです。
住宅の価値に見合う融資額かどうかが判断されるため、築年数が古すぎると、住宅ローンが適用されない場合もあります。
住宅の取得額に対して、融資額が少なくなる場合は自分で費用の準備が必要となり、事前確認が必要になります。
解体後に瑕疵(かし)や修繕費が発生する可能性がある
瑕疵(かし)とは、普通ならあるべき機能や性能が、備わってないことです。
一見状態が良いように見えても、住居を解体してみると水漏れや柱のヒビが発見されることがあります。
これを修繕するためには、予定になかった追加費用が必要です。
事前検査の段階で見積もり金額を出すことはできますが、ズレが生じることもあります。
戸建てをリノベーションする7つのメリット
一方で、戸建てをリノベーションするメリットは7つあります。
・中古の一戸建ては価格が安い
・物件の選択肢が広がり、希望エリアで物件が見つかる
・自由な間取りにリノベーションできる
・日本に1つだけのオリジナルな住宅にできる
・完成後のイメージがしやすい
・居心地良い空間を作れる
・資産価値の下落を防げる
中古の一戸建ては価格が安い
中古の一戸建ては、新築の一戸建てよりも価格が安いです。
新築戸建ての平均購入価格は約3800万円、一方で中古戸建ての平均購入価格は約2500万円です。
戸建てのリノベーションにかかる費用の相場は500万円〜1,000万円になるため、中古戸建てをリノベーションしたほうがコストを下げられます。
また、築20年以上の戸建ては、住宅の価値が低下しているため、土地代のみで購入できることもあります。
コストを抑えたいのであれば、リノベーション前提で中古の戸建てを探すことで、新築よりも安い予算で見つけることが可能です。
物件の選択肢が広がり、希望エリアで物件が見つかる
中古戸建てのリノベーションを前提にすることで、購入物件の選択肢が増え、希望エリアで物件が見つかりやすくなります。
新築物件の場合は、更地の土地がなければ家を建てることができません。
特に都市部では、立地条件がいい場所には、既にマンションや戸建てが存在するため更地の土地を探すことは難しいです。
しかし、中古の戸建て物件であれば、流通量も多く、都心や郊外の人気エリアでも理想の住まいが見つけやすくなります。
仮に住宅の間取りや内装、設備機器が希望通りでなくても、リノベーションで新しく取り替えることができます。
立地にこだわりがある場合は、中古の戸建てを購入してリノベーションを視野にいれることで選択肢が広がります。
自由な間取りにリノベーションできる
リノベーションは、自分のニーズに合わせて自由に間取りを決めることができます。
注文住宅は、似通った間取りや内装になっているため、自分好みの内装や間取りにしたい方にとっては物足りません。
賃貸やマンションの場合も、リノベーションができない、もしくはリノベーションできる範囲が決められている場合もあり、自分が思い描いた居住空間にできないケースも多いです。
戸建て住宅であれば、屋根や外壁、内装も自分の自由にリノベーションできます。
居住スペース全体を自由に設計できるのは戸建てをリノベーションする大きなメリットです。
今の住宅に不満がある方は、その不満を解消して、理想の住宅にできるでしょう。
日本に1つだけのオリジナルな住宅にできる
リノベーションをすることで、オリジナルの間取りやデザインにできます。
自分で間取りや内装を考えることが難しい場合は、デザイナーに依頼することも可能です。
デザイナーに依頼する場合は、多少費用が割高にはなりますが、デザイナーズマンションのようなおしゃれな住宅にできます。
完成後のイメージがしやすい
新築を購入するよりも、もともとある中古戸建てを改修する方が、生活するイメージが湧きやすいです。
内観を変えたとしても、日当たりや窓からの景色、近隣住宅との距離は変わりません。
土地の条件を存分に活かした住宅にできるでしょう。
居心地良い空間を作れる
中古戸建ては、たとえ築年数が浅かったとしても、誰かが住んでいた使用感や生活感がどうしても残ってしまいます。
それに加えて、築年数によっては設備なども古く、最新のモノと比べて効率が悪い可能性があるでしょう。
しかし、リノベーションであれば、住設機器をすべて新品にして使用感をなくすことや室内の内装を新たに変更できます。
リノベーションを行えば間取りや設備、内装などを自分好みにアレンジできるため、ご自身のライフスタイルに合った居住空間を求める方や、内装や間取りにこだわりを持っている方にオススメです。
資産価値の下落を防げる
リノベーションをすることで、住宅の資産価値の下落を防げます。
新築物件は購入してから約10年で、物件そのものの資産価値が半減します。
20年経つと資産価値はなくなり、土地にしか資産価値がありません。
しかし、中古戸建てをリノベーションすることで、住宅の性能や価値が高まるため、販売価格があがります。
資産価値を左右するポイントは、築年数の他に、部屋自体のニーズも重要です。
築年数が古かったとしても、室内の仕様や設備の経年劣化度合いが少なければ、需要は高まります。
将来的に住宅の売却を考えている方は、リノベーションをすることで、住宅の市場価値が大きく下降するリスクを避けられます。
おわりに
戸建てをリノベーションするメリットとデメリットをお伝えしました。
戸建てのリノベーションは費用が安く済み、かつマンションのリノベーションに比べて自由に間取りや内装を変更できます。
ただし、築年数の古い物件は耐震工事が必要になる可能性があるため、逆に割高になりやすいです。
メリットとデメリットを比べたうえで、戸建てのリノベーションをご検討ください。
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